アクセシビリティ(#a11y):ビデオやスマートフォンの情報保障に関わる「21世紀における通信と映像アクセシビリティに関する2010年法」について調べた
今日Google Readerを読んでいてYahoo! Accessibilityの記事についてこんなTweetをした。
http://twitter.com/#!/nakano/status/65621424391462913
この記事に興味を持ったので、抄訳しつつ”21st Century Communications and Video Accessibility Act(CVAA)“についてちょっと調べてみる。
“I want my MTV! Now, how do I find that channel…?” | Yahoo! Accessibility
http://yaccessibilityblog.com/wp/i-want-my-mtv.html
以下、この記事の要約。
- CVAAは、ウェブ、携帯のブラウザー、デジタル電話機器(?)のクローズトキャプション、テレビ放送、ケーブルテレビの映像についての要件を定めている。衛星テレビ、ケーブルテレビのセットトップボックスを全盲や何らかの視覚障害を持つ人が操作可能にするための要件や、画面上のメニュー、番組ガイドは、クローズトキャプション用のシンプルなインタフェースを持つべき。また、視聴者に追加料金を課すことなく実現すべきである
- FCC内にThe Video Programming Accessibility Advisory Committee (VPAAC)が設立され、諮問の役割を担っている
- セットトップボックスについては、National Center for Accessible Media (NCAM)のディレクターが代表を務めるワーキンググループを作り、オープンソースの“トーキングセットトップボックス”のプロトタイプについて研究などしている。このセットトップボックスは、先行してイギリスのRoyal National Institute of the Blind (RNIB)が作ったもの
- 数年以内に、視覚障害のあるTV利用者は、トーキングセットトップボックスやテレビ本体、その他の機器を使って自由にMTVや他の番組を楽しむことができるだろう
次に、記事中の”21st Century Communications and Video Accessibility Act (CVAA:21世紀の通信と映像アクセシビリティ法)“について調べる。
この法律は、2010年10月に議会を通過し成立したらしい。なお、オバマ大統領がこの法律に署名をしたとき、FCC議長らと並んでスティービー・ワンダーもホワイトハウスで臨席していたとか。
(さらに…)
IBM浅川智恵子さんの基調講演「アクセシビリティは世界を変える技術へ」抄録(だれもが使えるウェブコンクールのシンポジウム)
11月26日(金)、だれもが使えるウェブコンクールのシンポジウム「「だれもが使える」ウェブから、「だれもが必要とする」ウェブへ」、ぼくは裏方として参加した(副実行委員長なので)。
第2回「だれもが使えるウェブコンクール」シンポジウム 「だれもが使える」ウェブから、「だれもが必要とする」ウェブへ」
http://daremoga.jp/symposium20101126.html
努力の甲斐あって実現した浅川智恵子さん(日本アイ・ビー・エム株式会社 東京基礎研究所 IBMフェロー)の基調講演「アクセシビリティは世界を変える技術へ」がやはりとてもよかったので、つぶやき担当だった自分のTweet抄録&感想シェアで。
http://twitter.com/#!/daremogajp/status/8017369603510272
狭い領域で困っている人向けの技術やモノがより多くの人に役立つようになる(ことはよくある)、という話。
http://twitter.com/#!/daremogajp/status/8018527105589248
これは浅川さんが中心となって開発した「ホームページリーダー」(音声ブラウザー)の話。情報へのアクセスを妨げられていた多くの人たちに知る手段を提供した。改めて、すばらしい。
http://twitter.com/#!/daremogajp/status/8020408032829440
読めるようになっても生産性は…という話。ウェブページを読み上げさせることができても、視覚障害の人はたとえばECサイトで買い物するといったことに健常者の5~10倍も時間がかかるという。
WCAGやアクセシビリティJISに準拠したサイト作りだけでなく、より簡略化したショートカット的な動線を考える必要はないか、と思った(これは学習障害の人たちなどにも役立つかもしれない)
(さらに…)
「いなぎめぐみの里山」で採ってきた落花生を食べる
ハーモニー・アイ(視覚障害者と共に情報へのアクセスが容易な社会をめざすNPO)の交流会で、「いなぎめぐみの里山」に行ってきたよ。
新宿駅から調布経由で30~40分ほどで稲城駅、駅から歩いて15分ほどで着いてしまうほどの近さの里山。いろんな作物の畑があり、その収穫やジャム作りなどが体験できるらしい。
ぼくたちは総勢18人(約半分は目の不自由な人)で、協力し合って里いも掘りと落花生採りをした後で芋煮パーティー。目の見えない方たちも、山のさわやかな空気や土いじりの感触を楽しんでいた様子だった。
個人的には、なっている落花生を見るのも採るのもその場で茹でて食べるのも初めてで、おいしかったのでお土産に600gも買ってきた。
帰宅後、圧力鍋で7~8分茹でてもらったのが、これ。素朴でおいしい。
Read Full Post | Make a Comment ( 「いなぎめぐみの里山」で採ってきた落花生を食べる はコメントを受け付けていません )感想:第2回だれコンキックオフ「盛り上がるソーシャルメディア、話題の新デバイス アクセシビリティの今とこれから」セミナー
10月15日(金)、「第2回だれもが使えるウェブコンクール」のキックオフイベント「盛り上がるソーシャルメディア、話題の新デバイス アクセシビリティの今とこれから」に裏方として参加しました。
石丸君、ごんちゃんが今回もがんばってくれたUstream録画はこちら。
Ustream「アクセシビリティの今とこれから」セミナー録画
http://www.ustream.tv/recorded/10212918
安田さんがまとめてくれたTogetterはこちら。
Togetter – 「第2回だれもが使えるウェブコンクールキックオフイベント(…)
http://togetter.com/li/59787
ぼくはTwitterでのつぶやき担当だったのであまり考えながら聴けてないんだけど、ざっくりとこんな感想。
- 森田雄くんの講演、新アクセシビリティJISを大掴みに理解するための「テキスト、コントラスト、コンテクスト」という話とか、それらをワークフローのどの段階でどうまぶすのかって話は、JISを精読する余裕がない人でも聴くべき内容だと思った
- トークセッションは短い時間だったのに、「ソーシャルメディア」に絡めてちゃんと面白い話が聴けた
- 特に中根さん(中根雅文.jp)が面白かった。iPhoneをBluetoothキーボードとヘッドセットで使う話とか、ソーシャルメディア観とか、ユーザーが連携してスキルを底上げしていかなきゃ、って話とか
それにしても「障害を持ち、ウェブを使うことに困難を感じている人」「それでもウェブを使っている人」「ウェブを生活やコミュニケーションに活かすためにいろんな工夫をしている人」の話を聴くのは毎回面白い。ハーモニー・アイに関わるようになってからそういう機会は増えたけど“汲めども尽きぬ面白さ”だ。
(実はその前の週、W2C(日本ウェブ協会)のアクセシビリティワーキンググループの定例会議でもそんな話が出ていて、もしかするとW2Cの方でも「いろんな障害を持つ人とウェブ屋がカジュアルにふれあうことができる」タイプのイベントをやるかも。)
ウェブ屋の仕事は沢山の人がアクセスする可能性のあるウェブを世に出すことだけど、こちら側だけで集まってクネクネするんじゃなく、実際に(障害者に限らず)「ウェブを使う人」の思い、振る舞い、悩みなどを体感することは仕事の意味を深めるための冴えたやり方だと改めて思う。
だれコン、次のイベントは11月26日(金)。冒頭にはIBMフェローの浅川智恵子さんの講演「アクセシビリティは世界を変える技術へ」があります。モバツイのえふしんさんも来るよ! 詳細情報はここです。
第2回だれもが使えるウェブコンクール シンポジウム – OpenCU.com
http://www.opencu.com/events/di-2hui-shi
だれもが使えるウェブ:アクセシビリティの現況を誰が知るべきか、どう変えていくのか(についてのメモ)
ぼくも運営スタッフとしている「だれもが使えるウェブコンクール」の2年めがいよいよスタート。10月、11月と啓蒙イベントを行い、今年もアクセシビリティに優れたウェブを募り、2011年5月に表彰を行います。
10月のセミナーの告知・申し込みページはこちら。
10月15日(金)「盛り上がるソーシャルメディア、話題の新デバイス アクセシビリティの今とこれから」セミナー
http://daremoga.jp/seminar20101015.html
11月26日(金)のシンポジウムの告知ページはこちら(正式な申し込み開始はもうすぐです)。
第2回だれもが使えるウェブコンクール シンポジウム – OpenCU.com
http://www.opencu.com/events/di-2hui-shi
会社サイトに告知記事を書くにあたって、この取り組みを誰に伝えたいのか? ともう一度考えてみた。2つのターゲットが浮かんだ。それについてちょっと書いておく。
狭義のウェブ屋以外の人にも「だれもが使えるウェブ」の実現について関心を持ってほしい
前のアクセシビリティJISが出たのは2004年。
ウェブの関係者、中でも濃い人たちが啓蒙を進めてきたが、現在大して普及していないという事実がある。顧客が飛びつくSEOのように経済合理性がない点や、「そもそも強制力のないJISではダメなんじゃ?」といった仕組みの話は長いのでここでは措くが、ともかく専門家だけが興味を持つような状況が続けば何も変わっていかないのは明らかだ。
多くの人の日常生活でウェブが不可欠なほどになった今、ウェブの制作者・専門家以外の人もこの問題を知ることはより重要になった。だから、より多くの人に知ってほしい。
(さらに…)
コメント求む:「目の不自由な人×Twitter×マイクロボランティア」という取り組み(案)について
昨日(2010年2月24日)の「ケータイ向けTwitterサービス『モバツイッター』とアクセシビリティ」セミナー&だれもが使えるウェブコンクール中間発表」イベント中のTwitter上のやりとりで浮かんだアイディアを展開してみました。勢いで公開します。
- アクセシビリティ(ウェブをアクセシブルにすること)に関心がある人、
- 小さな(プチ、マイクロ、ナノな)ボランティアやりたいなという人、
- ウェブ×社会をよくすることに興味ある人、
この取り組みの可能性や改善アイディアについて、ぜひコメントくれませんか?
「目の不自由な人×Twitter×マイクロボランティア」ってなんなの?
- 目の不自由な人が「いまどこどこにいるけど、入り口が分からない。」「いま総武線遅れているんですか?」(他にもいろいろ可能性ありそう)などと、Twitterに特定のハッシュタグを付けてつぶやく
- そのハッシュタグ付きつぶやきをウォッチする人を募っておき、そのときに対応できる人が(必要なら代わりに調べたりして)つぶやきで答えてあげる、(または必要なら)電話してサポートしてあげる、などする
あ、ついでに。ハイチ地震をきっかけに英語圏ではTwitterを使ったこんな参考になる取り組みがありますよ。
Tweak the Tweet: New Twitter Hashtag Syntax for Sharing Information
During Catastrophes
http://www.readwriteweb.com/archives/a_new_twitter_hashtag_syntax_to_help_during_catast.php
だれもが使えるウェブコンクール:「モバツイッターとアクセシビリティ」セミナーを楽しんだ。で、Twitter×マイクロボランティアの可能性にワクワクしたり
昨夜はこんなイベントのお手伝いをしてきました。
「ケータイ向けTwitterサービス『モバツイッター』とアクセシビリティ」セミナー & だれもが使えるウェブコンクール中間発表(だれもが使えるウェブコンクール)
http://daremoga.jp/ceremony/event-0224.html
ぼくは「だれもが使えるウェブコンクール」に実行委員(プロモーション統括副委員長)としてコミットしていて、ぼくの会社アークウェブも協賛しています。ので、昨夜はぼくに加えて志田君、野嶋君、小森さん、八木さんと総勢5人で受付・会場設営などからお手伝いしてきました(ちなみに弊社は11人です)。
ふりかえって
楽しかったなー、というのが素直な感想。
アクセシビリティはウェブ屋が関わることができる「公(おおやけ)」の問題だと決心してからはいろいろ活動しているけど、こんなに感情面を揺さぶられたというか「楽しい」と感じたのは初めてだったかもしれない。
Twitter / 中野 宗 (NAKANO Hajime): TwitterのTLに、視覚障害者がスクリーンリーダ …
http://twitter.com/nakano/status/9570628559
TwitterのTLに、視覚障害者がスクリーンリーダーを操作する、なんて話題が花開いてうれしいっす。素直に
ぼくはUst配信チーム(石丸君・吉澤君。彼らもWebSigからボランティア参加!)の脇にいながらTwitterのTLにいたんだけど、スクリーンリーダーなどについてこんなに沢山の人とおしゃべりした体験はない。日陰の趣味を認められたみたいでうれしかった。
Twitter / 中野 宗 (NAKANO Hajime): モバツイという公共性の高いサービスが持つ磁力ですね …
http://twitter.com/nakano/status/9570549241
モバツイという公共性の高いサービスが持つ磁力ですね RT @hitoyam: #daremoga のTLで興味深いのは、技術者レイヤーじゃない人の感想が多く混じっているからなのかも。
ってつぶやいんたんだけど、
- モバツイは「日本のツイッターシーンを下支えしているサービス」(えふしんさん)であり、沢山のユーザーから支持を得ている。そのポジティブさ
- えふしんさんの「アクセシビリティ対応って当たり前じゃね? と思った」とか「Web屋として当たり前のことをやってみたかった」とか、ごくプレーンな言い方がすごく共感を呼んだ
ってところが大きいと思う。
プレゼンではぼくの名前もちょっと出していただけたけど、ぼくがある時期から突然(笑)「アクセシビリティ! アクセシビリティ!」と大声を挙げていることがモバツイのシンプルモード実現にきっかけの一つにはなったのかも…と考えると、周縁をめざしたい、変化のためのカタリスト(媒体)でありたいぼくとしてはちょっと鼻高々。B’>
第三部でわかったこと
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