だれもが使えるウェブ:アクセシビリティの現況を誰が知るべきか、どう変えていくのか(についてのメモ)

Posted on 2010年10月2日. Filed under: 未分類 | タグ: , , , , , |

ぼくも運営スタッフとしている「だれもが使えるウェブコンクール」の2年めがいよいよスタート。10月、11月と啓蒙イベントを行い、今年もアクセシビリティに優れたウェブを募り、2011年5月に表彰を行います。

10月のセミナーの告知・申し込みページはこちら。

10月15日(金)「盛り上がるソーシャルメディア、話題の新デバイス アクセシビリティの今とこれから」セミナー
http://daremoga.jp/seminar20101015.html

11月26日(金)のシンポジウムの告知ページはこちら(正式な申し込み開始はもうすぐです)。

第2回だれもが使えるウェブコンクール シンポジウム – OpenCU.com

http://www.opencu.com/events/di-2hui-shi

会社サイトに告知記事を書くにあたって、この取り組みを誰に伝えたいのか? ともう一度考えてみた。2つのターゲットが浮かんだ。それについてちょっと書いておく。

狭義のウェブ屋以外の人にも「だれもが使えるウェブ」の実現について関心を持ってほしい

前のアクセシビリティJISが出たのは2004年。
ウェブの関係者、中でも濃い人たちが啓蒙を進めてきたが、現在大して普及していないという事実がある。顧客が飛びつくSEOのように経済合理性がない点や、「そもそも強制力のないJISではダメなんじゃ?」といった仕組みの話は長いのでここでは措くが、ともかく専門家だけが興味を持つような状況が続けば何も変わっていかないのは明らかだ。

多くの人の日常生活でウェブが不可欠なほどになった今、ウェブの制作者・専門家以外の人もこの問題を知ることはより重要になった。だから、より多くの人に知ってほしい。

ウェブ屋でも無自覚な人に、「だれもが使えるウェブ」を作ることの重要さを知ってほしい

ウェブの制作現場には「わかってる君」と「わかってない君」がいる。
「わかってる君」は“たしなみ”としてアクセシビリティを知っている。自分が作っているサイトについて「アクセシブルじゃない」「アクセシブルかどうかテストしてない」といった自覚はあるが、予算や納期が許さない、顧客や上司の理解がないといった理由でやらない人が多い。

が、より問題なのは「わかってない君」だ。彼らは無自覚なまま日々ウェブサイトを作っている。どうすればこのボリュームゾーンのウェブ制作者にリーチし、変わってもらうことができるだろうか。

たとえば、ウェブを利用する障害者の実態を知ることは大きなきっかけになり得る。つまり、「アクセシビリティJISを守らなければ」と頭で考えるのでなく、「目の見えないこの人、こんな風にウェブを使うんだ。大変そうだな」と心を動かされるような機会が重要だ。

ちょっと脱線するけど、マイノリティな人々を理解するための「リビングライブラリー(Living Library:生きている図書館)という取り組みがある。デンマークで始まったものらしい。

Living Library Japan
http://living-library.jp/livinglibrary.html

このように、障害者の人たち自身が自らの生活の向上のために実際のウェブの利用シーンをアピールすることも重要だと思う。
そういう姿を目にしたウェブ屋は、たとえば視覚障害者がオンラインショップで買い物をできるようにする責任の一端は「自分に」あるんだ、と思い至ることができるようになるだろう。

オンラインショッピングで思い出したが、こないだ毎日jpユニバーサロンの編集長である岩下さん(全盲)がこんなコラムを書いていた。

8月30日 クアットロ・フォルマッジ – 毎日jp(毎日新聞)
http://mainichi.jp/universalon/talk/news/20100830mog00m070004000c.html

早速サルヴァトーレのサイトでデリバリーメニューを探した。

ところが、どういうわけかトップページから「デリバリー」のリンクをクリックしてもメニューリストらしきものが見当たらない。やむなく音声ブラウザーが「オブジェクトに移動」と読み上げるFLASHページに分け入って地域指定のための地名入力を試みたがなかなかうまくいかない。あきらめかけたところでようやく、郵便番号入力を発見して代官山支店にたどり着いた。あとで上の階層にダウンロード可能なピザメニューリストを発見したものの、結局画像データのPDFファイルで、音声ブラウザーはむなしく「空白」と読み上げるだけだった。

現在の平均的なウェブの姿はこんなものだ。このショップだけが特にひどいわけではない。

この現状を変えたい。
こういう議論をもっとしたい。
自分に課すのは、俯瞰する視点を忘れずに、ボトムから行動していくこと。今年も一連の「だれコン」活動をがんばりたい。

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