台風13号 大雨被害 いわき市で最後の床下泥出し2件(ボランティアチーム援人 2023年1125便)

Posted on 2023年11月28日. Filed under: ボランティア |

NHKの『エマージェンシーコール 緊急通報指令室』というドキュメンタリーを観ていたら、119番通報を受ける指令室の女性が、なぜこの仕事を選んだのか? という問いに

「お医者さんでも看護婦さんでもなく、救急隊員が真っ先に駆けつけることができるから」

と答えていた。その言葉を聞いて心が揺さぶられた。

豪雨災害や地震で被災者が生まれてしまったとき、行かなくてもできることはもちろんある。
が、「行って何かしてあげたい」と胸がざわざわしておさまらないことがある。

その思いに従って行動し続けた結果、いまのぼくらの活動がある。

ボランティアチーム援人は、2023年11月25日(日)、9月の大雨で約1,800軒の家が被災した福島県いわき市で、床下泥出し2件に対応し、完了できた。

急な呼びかけにもかかわらず、6人のメンバーが集まってくれた。

一軒めは、以前お手伝いしたMさん宅。
このお宅はやや特殊な構造で、前回は床下3区画のうち左右両端のみ対処したが、今回は中央部に入れることになり、泥出しと断熱材の処理(一部は撤去、残りは収める)を行った。

二軒目は常磐線「内郷」駅にほど近いお宅。これまで何度もボランティアが入り、床上の家財が片付いてきたので、床下に入れるようになったという。

開口部を全部で3つ作り、土砂の状況を見てテミなどを使わず直接土のう袋に入れる方式で進めていった。

このお宅の依頼主からは、「市内でももう忘れられているんじゃないかと感じる。遠くから来てくれてありがたい」と感謝のことばをいただいた。

たしかに、近隣のお宅はもうだいぶ片付いている印象だった。

お手伝い後に立ち寄ったいわき湯本の温泉神社。紅葉は、曇り空の下でもあざやかだった。

振り返り。

K T: 養生作業、今回は慣れたメンバーがいなかったが、皆で協力して迅速かつ及第点レベルでやることができた。災害ボラのタスクの多くは、皆ができるもの。改めてジョブローテーションの大切さを思った。

K: 床下作業、まず1人が迅速に入り作業方法を試し決める、隙間を見つけてどんどん人が入る、作業では複数人による連携を意識する、などベストプラクティスを実行することができた。

K: 1軒め、2軒めとも依頼主が見ているだけでなく協力的だった。道具をオファーしてくれたり(使うことはなかったが)一緒に働いてくれたり。特に2軒めの依頼主、最初は加わってもらうことを躊躇したが(なかなかヘヴィーな作業なので)、途中から土のう運びを積極的に任せることにしてよかったと思う。

K: 道具の準備、選択、終了後の回収など、何人かのメンバーが注意してやってくれたので助かった。練度が上がっていると思う。

K: 今回のニーズは「床下泥出し」だったが、付帯することがらも意識した。床材の状態チェック、カビの有無、(必要なら)カビ落とし・消毒など、依頼主の健康被害や家のダメージを防ぐタスクを忘れずに実行できた。

P: 床下で作業するメンバーの雑談の声がやや大きいときがあった。発災から時間がたっていること、依頼主の様子も悲壮な感じではなかったこともあり注意はしなかったが。メンバー間の軽口は作業のいい空気をつくり、協働にも役立つので全否定はしないが、バランスには注意したい。

P: 2軒目、特殊な構造で、地上で作業中に頭を7回ぐらいぶつけた。どうすれば避けられただろう?(作業中にも考えたが答えは出ず…)。

K: いわきの活動では、最初の数回を除き、Kちゃんという優れたコーディネーターの存在によって充実したものになった。ぼくらの活動は彼らのような存在なしにはできない。また役立てるよう、いつ災害が起こってもいいように、援人というチームをホットスタンバイ状態にしておきたい。

K: 9月以降、いわき市に何度も通うことになった。さまざまなお宅に伺い、被災された方々を知り、地域への愛着も湧いてきた。これからも関心を持っていきたい。

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