南相馬・小高バスツアー(小高ワーカーズベース、小高天織の浮船の里など訪問)に参加した

Posted on 2015年4月22日. Filed under: ボランティア | タグ: , |

2015年4月18日土曜日、いつものボランティアではなく「小高ワーカーズベース他見学&相馬小高神社で花見BBQツアー」という企画に参加し、日帰りで南相馬・小高へ行ってきた。

昨年、小高ワーカーズベースの和田智行さんの東京講演会を実現させた櫻井さんたちのグループ主催のもので、内容は、小高WBや「小高天織」のNPO浮船の里などを見学し、最後は小高神社で花見をしながらバーベキューをするというものだった。

南相馬の避難区域が再編された2012年4月から、ぼくはボランティアとして小高区を何度も訪れているが、今回のように視察・観光目線で行ってみるというのは初めて。正直、“ただ観に行く”ことに心理的な抵抗もあったが、バスの中のさまざまな参加者たち(福島は初めて、という人も少なくなかった)に溶け込むうち、徐々にリラックスできた。そして、いつもとは違う目線で南相馬・小高を捉えることができたような気がする。

いつもは夜行便のため、明るい時間に初めて訪れた常磐道ならはパーキングエリアではちょっとした発見があった。

小高ワーカーズベース・見学&相馬小高神社で花見BBQツアー

建物の裏側にあった「熱き勇者たち」というプレート。2012年から始まった常磐自動車道の復旧工事に携わった人たちの名前を掲出しているらしい。

小高ワーカーズベース・見学&相馬小高神社で花見BBQツアー

いつもは(特に往路は)お手伝いに向けやや張りつめた気持ちで、感覚を遮断している部分があるのだろう、見慣れたはずの光景もいつもより引っかかってきた。

国道6号線沿い、至る所に整然と並べられた黒いフレコンバッグたち。

小高ワーカーズベース・見学&相馬小高神社で花見BBQツアー

小高沿岸部にまだ残っている、津波被災家屋。

小高ワーカーズベース・見学&相馬小高神社で花見BBQツアー

と思えば、家の基礎だけが残っている集落。

小高ワーカーズベース・見学&相馬小高神社で花見BBQツアー

これらを眺めると、いつもより深いところが揺さぶられるような気がした。

また、若い参加者たちが連れ立って小高駅の周りを歩く姿や、桜吹雪の小高神社に沢山の人の笑い声が響く様子には、ああ、小高にまだないのはこういうものだよな、と改めて気づかされた。

小高ワーカーズベース・見学&相馬小高神社で花見BBQツアー

小高ワーカーズベースの前で和田さんの話を聴く。
多くのものが失われてしまった小高でやり直すことは「リアル・シムシティ」のような取り組みだ、という。

小高ワーカーズベース・見学&相馬小高神社で花見BBQツアー

NPO浮船の里では、理事長の久米静香さんのお話を聴いた後、小高の蚕の糸を横糸に使い、小高の草木で染めた織物(試作品)を見せてもらう。

小高ワーカーズベース・見学&相馬小高神社で花見BBQツアー

(かつて小高は、養蚕業が盛んな地域だった。ぼく自身も、養蚕に使っていた小屋の解体や蔵の中の道具の廃棄などのお手伝いを経験し、調べてみてそのことを知った。)

今回、ぼくが仲間と続けているボランティアチーム援人の活動についても、2つの気づきがあった。

1つは、来年4月に予定通り避難指示が解除されても、しばらくは混乱が続き、ぼくたちボランティアが必要とされる場面は少なくないだろう、という考えが深まった。きっと住民の方々の帰還はそれぞれのペースで、また戻られるのは主に高齢者だから。

もう1つ。ツアー参加者から何度も「小高でボランティアはどんなことをやっているんですか?」と質問された。
原発災害の避難指示解除準備区域、なかでも津波や地震の損害は比較的軽く、今はまだ人が住めない場所でどんな手が求められているのか、やはり普通の人には想像がつきづらいのだ。
知っていて黙殺されるのではなく、知らない人が大勢いるのなら、知ってもらい関心を持ってもらうチャンスはある。自分たちが行動するだけでなく、その背景・価値をより多くの人に伝えていくこともやはり大切なのだ、と改めて思う。

小高神社での花見、そしてバーベキュー。桜はピークを過ぎていたが、気持ちいい風が吹く中、花びらが沢山舞い散っていた。

小高ワーカーズベース・見学&相馬小高神社で花見BBQツアー

バーベキューのメニューには「相馬のおんちゃま」の海の幸も登場。写真は真イカ(甘酒麹漬け)だが、香ばしくて甘く、焼くそばからどんどん売れていった。

小高ワーカーズベース・見学&相馬小高神社で花見BBQツアー

来週からは、また今まで通り1人のボランティアとして小高へ足を運ぶつもりだ。

小高ワーカーズベース・見学&相馬小高神社で花見BBQツアー

小高駅近くを散策したとき、以前お手伝いしたあるお宅を除いてみた。
去年の夏ここでガレージの解体と庭の草刈りなどのお手伝いをしたのだ。ガレージの鉄材などは撤去されていたが、トンバッグはそのまま残り、破れはじめ、雑草が生えていた。庭も、また草刈りが必要な状態になっていた。

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