「これだけ! KPT」読書メモ(Key: 改善は仕事の一部, よいところをさらによく, 同意と合意, 言ったもの負け)
「これだけ! KPT」(天野 勝)を読んだ。頭の整理ができた。自分用にメモをまとめておく。
KPTの効果と使いどころ
- KPTはメンバーと周囲の人々の人生の時間の質を上げる
- KPTで学びを整理する
- KPTで現状を打破する
- KPTをカイゼンに活かす
- 改善活動は仕事の一部。そして、「ダメなところを直す」だけでなく、「よいところをさらによくする」も含まれる
「あなたのチームで企画した商品を、会社の上層部にプレゼンテーションし、そこそこの感触を得られたところとします。「そこそこの感触」で終わったということで、ミスもないのでそのままやり過ごしてしまいがちですが、このような場面でこそ、ふりかえることをオススメします。結果が散々だった場合は、ふりかえるのが当たり前だと思うでしょう。しかし、結果が散々だった場合は、それまでの過程で発生していた問題点を解決せずに過ごしてしまっていることがほとんどですので、ノウハウとして抽出できることがあまり多くない可能性があります。一方で、「そこそこの感触」を得られたということは、そこにたどり着くためのノウハウが多く埋もれているものです。」
- KPT話法は、部下との目標管理面談の際などにも活かせる
KPTのやり方とコツ
- KPTは、まず1週間から始めてみるのがよい。1週間の計画を立て、活動し、1週間後にふりかえる。次第にもっと長い期間でPDCAを回せるようになってくるはず。
- 付箋紙に意見を書く時は、1枚に1つの意見を書く。付箋紙に意見を書くことで「物質化」し、物理的に指差したり、移動したりできるようになる。
- 他の人が行ったことを書くようにする。自分でやったことをKeepとして挙げるのは難しいが、他人からは目に留まりやすいもの。
- 人同士向かい合って話すよりも、問題点を壁などに貼り出し、その問題に対して全員が向かい合うようにして話をすると、建設的な話し合いになりやすい。
- プロジェクトをふりかえるとき、評価を五本指(5/5ならパー)を皆で出す。指が1~4本、つまり満点ではない人たちに、「その数にした理由を教えてください」と聞く。その意見をKeep、Problem、Tryに分類しながら書き出す。
- Pを「問題」と言うと、意見が挙がらないことがある。「困っていること」「工夫の余地がありそうなこと」「不満に感じていること」のように言い換えると気軽に意見が出てきやすい。
「アクションに対して誰が主責任で行うかを決め、チームで合意してください。 合意と同意は異なります。主責任者を決めて、その人に丸投げしてしまい、その人が困っていたとしても周りが助けないというのは、合意ではありません。 合意とは、同意に加えて「全面的にサポートするという意思」まで含んでいます。」
「余計なことはやりたくありませんので、「Tryは挙げないほうがいいな」ということになってしまいます。このような状況を「言ったもの負け」と呼びます。KPTそのものよりも、ふりかえり会を行うチームとしての成熟度が低いことが原因です。」
KPTのメリット
「チームに任せるのはなかなか難しいと考えるリーダーは多いようです。このような、「任せられないチーム」を「任せられるチーム」に変えていく場面でこそ、KPTは信じられないほどその力を発揮するのです。」
- KPTが素晴らしいのは、「繰り返して行うことでその効果がより大きくなる」こと。 前回のTryが次のKeepになり、どんどん蓄積されていく。ナレッジマネジメントの仕組みが実現されていくことになる。
- アイデアに「いい名前」を付けることができれば、アイデアはぐっと伝わりやすくなり、実際に浸透しやすくなる(例:「ニコニコカレンダー」)。
「属人化が無くなり、最終的に誰でもがどの作業でも行えるようになると、ToDoは人に関係無く、すべて共通であるタスクボードで運営できるようになります。ToDoにある、作業という行列を複数の窓口で処理するような形になるので、作業のスループットが最も早くなります。駅の発券所や銀行のATMなども、このような形になっていて、行列に並んでいる人の待ち時間短縮が行われています。」
「可視化」と「見える化」
- 見える化とは「異常を見えるようにして行動を誘発する仕組み、および活動」のこと
「見える化に近しい言葉に「可視化」というものがありますが、こちらは、見えるようにしただけにすぎません。 見える化は、これに加えて行動を誘発する仕組みが備わっているのです。世の中で一般的に使われている「見える化」は、「可視化」を指しているように私は感じます。」
[KPT] KPT法のK (Keep:うまくいっているので続けたいこと)
「KPT」を知らない人はこの辺とかどぞ。
やるべきことをやるために「やらない」を続けたいこと
- 目が死んでいる・言い訳屋タイプの顧客の仕事
- 労力対効果が合わないルーチンワーク
- 確度が低い見積もりの繰り返し
- 電話によって他人に時間を支配されること
ただしそのためには、「やらない」を続けるためのハックを模索することが大前提。