『GE14 マレーシア選挙』(ファーミ・ファジール&山下残)を観た

Posted on 2019年5月7日. Filed under: 演劇 |

『GE14 マレーシア選挙』(ファーミ・ファジール&山下残)を観た。こまばアゴラ劇場で。2019年4月26日、元号が変わる10連休に入る前の日に。

平成最後の観劇──じゃなくて不思議な複合パフォーマンス体験。これはすごかった。芝居でもない、映画でもない、単なるプレゼンテーションでもない、すごく頭が刺激されるマージナルな作品だ。

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元々TPAM(国際舞台芸術ミーティング in 横浜)で上演されたものらしい。TPAMって(ぼくのような人間には)敷居が高いプログラムばっかりだが、こういう原石が見つかるなら次回からはもっと首を突っ込みたいなぁ。

GE14=マレーシアの14回目の総選挙という意味。2018年、マレーシアでは元大統領のマハティール氏率いる野党連合が地滑り的勝利をし、歴史上初の政権交代が起こった。

このパフォーマンスは、芸術家であり野党から出馬して国会議員になったファーミ・ファジール氏(本人)の模擬演説や、選挙期間にマレーシアにいた山下残氏が撮った映像にナレーションをかぶせてGE14の様子を伝えるというもの。

“もし私が議員になっていなければ間違いなく投獄されていた”“芸術はそもそも政治的なもので、政治も芸術と不可分だ”と説くファジール氏の演説(実際に彼の選挙中のテントを模したセットで行われる)は生々しさに満ちたもの。日本によくある“〇〇は政治的であるべきじゃない”的な言説を鼻息だけで彼方まで吹き飛ばしてしまうような力があった。

こまばアゴラが東南アジアの夜の熱気に包まれたような気がした。(観ていて思い出したのだが、タイを旅行中に地元のルークトゥン(ローカル歌謡曲)がガンガン流れるカラオケ大会に迷い込んでしまい、曲はよくわからないが歌い手に魅了されてしまう、そんな体験に似ているな、と。)

映像パートでの山下氏は、圧倒的劣勢を逆転していくファジール氏の様子を活弁士のように熱くときにコミカルに伝え、(対立候補を含む)演説シーンではイタコのようになりきって朗々と語った。

一国の選挙をテーマにこんな熱量あるパフォーマンスがなりたち得るのか、と驚いてしまった。

マレーシアの選挙では、候補者が街にテントを張り、昼も夜も演説をし、支持者は入れ代わり立ち代わり訪れる。そして投票が終われば、投票箱がすり替えられるといった不正が行われないよう、投票箱を運搬する車を各陣営の車・バイクが追いかけ騒然とするという。

観ていて、そこまで選挙に期待しているんだ…と羨ましく感じてしまった。


最後にウチのこまるの写真を貼っておこう。

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