「Are you wearing the clothes?」(リクウズルーム×努力クラブ こまばアゴラ劇場)を観た

Posted on 2017年8月9日. Filed under: 演劇 |

2017年8月8日(火)、「Are you wearing the clothes?」(リクウズルーム×努力クラブ)を観た。こまばアゴラ劇場で。

100分超の芝居だったが、2人の作家が分担して脚本を書いたためなのか(登場人物の台詞をそれぞれが書き分けたんだとか=Twitter情報)異質の世界がぶつかり合うような味わいがあり、体感的に2.5本分ぐらいの満腹感があった。

2017-08-08 18.56.28

途中、去年見た「愛のおわり」(パスカル・ランベール)ですごい演技をしていた女優(兵藤公美)が出てきた。彼女を見ているだけでも飽きなかったのだが、(恐らく)時流を反映した物語で、なかなか惹きつけられた。

(以下、記憶の怪しいあらすじ。)
主人公、シニカルな若い女。
ニセ柳ニセ子という黒柳徹子のパロディーのような女が登場、対談がはじま…らない。
ニセ子には忠実な召使がいるが、殺してしまう。
彼女のメイク役の女によって、ニセ子の正体は蛇だと明かされる。
正体がバレたニセ子は「呪」と大書かれた紙を世界中に貼りはじめ、人々をそのためのツアーに動員していく。

一方、合理化する世界に抗する“面倒臭いもの”として、多分にカリカチュアされたオーガニックおばさんが現れる。私はオーガニックコットンしか着ない、そりゃあオーガニックだねぇ(オーガニック落語)などのくだりは観客の爆笑を誘っていた。

ニセ子のツアーは蔓延していき、オーガニックおばさんたちも取り込まれる(正確にはおばさんがニセ子=蛇をかじることで一派になる、だったか)。

最初はそれに抵抗していた(主人公を愛する)男も、孤独になりたくないため付和雷同していく。その過程でニセ子が煽る「呪」は時代がかったものなどでなく、カジュアルな遊びだということが周りからの男への嘲笑によって示される(今のソーシャルの、誰も深刻な結果など考えずカジュアルに人を叩くこと、とその重畳的効果への風刺だろうなぁ、とか)。

ツアー参加者たちが突然“ふわふわした感じ”に包まれ、高揚の中で世界は消滅する(BGM: SEKAI NO OWARI – Dragon Night)。
冒頭のシニカルな少女がそれを高みから眺め、「茶番だ」とつぶやく。

世界は消えたはずだが、少女の生活は再開される。なぜか今はいないはずの母親や弟、日常が戻ってくる。
少女を愛する男が公園で待っている。待っている間さまざまな人間が現れ、自分の望みだけを表したような言葉で男に絡み、そして去っていく(この不条理なシーンはとてもよかった)。

公園に現れた少女は、男が言葉を発するとその欺瞞を次々と突いていく。そして去る。
最後、諦めきれない男だけが残る(じわじわと純愛がいぶり出される、と感じた)。

椅子をいくつか置いただけでそこが対話室だと感じられるとか、日常生活ではまず許されないシュールな言葉を、発話されるそばから頭の中に入れていくうち脳みそが覚醒してくるとか(そういうのがぼくにとっては芝居を観に行きたくなるカタルシスなのだが)、そういういい感じがあった(陳腐な感想だなぁ…)。

加えて、爆笑シーンの数々やコール&レスポンスで観客をあたためつつ、(Twitterで誰かが書いていたことを少しパクると)こちらは全てを観測できないが、確かに存在する世界のルール(それも複線あって交わったり離れたりしている)を断片的に覗き見ている、と思わせられるような謎かけ的面白さが提示されていた。

広告

Make a Comment

感想やアドバイスがあれば、お気軽にどうぞ

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中

Liked it here?
Why not try sites on the blogroll...

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。