「雨と猫といくつかの嘘」(青☆組)、しっとりしつつエッジあり、観てよかった

Posted on 2017年5月26日. Filed under: 演劇 |

青☆組、「雨と猫といくつかの嘘」。アトリエ春風舎で観てきた。

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雨や雷鳴が彩る、一人の男の幼年から孤独な老年までの話。

はじまる前から舞台には登場人物が現れたり消えたりし、後の芝居で使うことになる小道具が納められた木箱に座ったりしている。内容をほのめかすものになっていた(と、後から気づく)。

昭和っぽい衣装や台詞回し、メロウな「三丁目の夕日」っぽい感じの話がはじまる。観ていて没入できるか不安だったが、途中からもっていかれることになった。

ある男の幼年時代、結婚して子供が小さな頃の話、子供に恋人や結婚相手ができる頃までのストーリー。

いくつかの挿話。時制を混線させながら、カップラーメン、おかき、寿司(なかでもかっぱ巻)、カフェオレ、猫のぬいぐるみなどのアイテムが継いでいく。たとえば娘の結婚相手に男がすすめたカフェオレは、独立した息子の部屋を訪れたとき、息子の同棲相手(…の属性も話を盛り上げるのだが)に出された思い出があった、と後でわかるなど。

飼い猫が去る場面がリフレインされる。そして二回目では、猫がなぜか人語をしゃべる。これにはやられた。“もしあのとき聞こえていたら”“もし全てがわかっていたら…”という、苦い提示なのだと捉えた。
猫についてはもう一つ。転生したい猫は死ぬときに姿を隠すという話が、別々の人物によって何度か語られる。人生の後悔や一回性を浮かび上がらせるモチーフなんだろう。

会うシーン。会えてよかった。
お茶を飲むシーン。一緒にお茶を飲んで語りあえてよかった。
誕生日のシーン。誕生日を家族に祝ってもらえてよかった。
そういうことか、と振り返ってみて思った。

劇場ではろくに目を通さなかったのだが、帰って挨拶を読むとこんなことが書いてあった。「お誕生日、おめでとう。」と。

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役者の演技は情感たっぷりで全体にしっとりしているのに、構成や演出は立っている、それも賢しくならない強度で。こういうバランスの芝居もあるのか、と思った。

観てよかった。

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