「バージン・ブルース」(うさぎストライプ と 親父ブルースブラザーズ こまばアゴラ劇場)を観た

Posted on 2017年5月16日. Filed under: 演劇 |

半蔵門線の中で前のカップルがずっと小声で言い争っていた。「結納」という言葉が何度も聞こえた。

渋谷は輪行袋を持つ人が日本で最も多いターミナルじゃないだろうか。趣味の爛熟が極まってるよな。

肩慣らし終わり。

「バージン・ブルース」(うさぎストライプ と 親父ブルースブラザーズ こまばアゴラ劇場)を観た。

2017-05-14 13.35.45

エンタメは大抵、はじまりますよ(ここからは非現実ですよ)と宣言せざるをえない。
そこをやんわりと乗り越えてくれると新鮮だ。この芝居では、客が席についたときから舞台では洋楽の懐メロが流れており、しばらくすると俳優が登場、クローゼットのネクタイを探しはじめる。こうして芝居がはじまったことにぼくの隣の男性は1分ぐらい気づかず、チラシをガサガサやっていた。

“お父さん”が3人いる娘の結婚式の、控室で始まるドタバタ芝居。普通でない家族という主題だけで一定水準だろう、という安心感があった。

話は、“父”の1人、男なのになぜか巨乳を持つ男の記憶を走馬灯形式でめぐるかたちで進む。彼が主役となった理由は、父たちと花嫁がバージンロードを歩むエンディングで明らかになる。

オッサンが女性的役割を演じるということで、ユーモアは手堅くまぶされている。また有名俳優が出ているためか、今日の観客は反応がよい。他愛もないシーンでドッと沸く。ここ数回観た芝居では硬質な客の塩反応が当たり前だったので、意外だった。

走馬灯というメタファーに応えるように、3人の俳優は場面が変わるとクローゼットの衣装を着替えていく。こういう小規模さを巧く利用した演出はいい。
驚くことに、開場前、受付でスタッフ然としていた男性が結婚式の司会役で登場、以後さまざまな脇役を演じていく。こういうの好きだなぁ。

エンディング、2人の父が(“生みの父”はすでに死んだことが走馬灯劇で明かされている)娘と腕を組み、バージンロードを──となるはずだが、このシーンではもう一つの人生の出来事が含意される。3人の台詞も、それとこれをカットバックでつないでいく。

娘の、普通でない親たちに育てられたが私はとても幸せでした、という台詞。

ベタだと感じたところもあるが、ダブルミーニングの結末に流れ込むストーリーは冴えていたし感動した。隣の女性は泣いていたな。

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