「TTTTT(人柱が炎上, 景観の邪魔, 非公式な恋人)」(青年団リンクキュイ アトリエ春風舎)を観た

Posted on 2017年5月7日. Filed under: 演劇 | タグ: |

青年団リンクキュイ「TTTTT」、コンセプトもよくわからなかったが(…というかそもそも劇団のチラシというのはよほど商業的に成功している劇団でもない限り自己満足的で、意味がほとんどわからないものが少なくない)、アトリエ春風舎(小竹向原)まで観に行った。2017年5月6日。

2017-05-06 16.00.53

3本立ての演劇だった。

1本目、「人柱が炎上」。

311後の日本の重要な風景である「デモ」の諸相を描いたといえる一人劇。

とりあえず立ち上がった、どこへ向かえばいいかわからないがという若者。
日々デモの鎮圧に明け暮れ疲れた、逆に政治に興味が湧いてきた、どんな為政者でもいいからこの流れを終わらせてくれと願う警官。
50年前のデモでは沢山のおにぎりをつくった、と懐かしむ老女。
残業を言い訳にデモに来なかった友人は次もきっと来ないだろう、と語る女性など(ここ、面白かった)。

デモの最中にテロが起こり、壇上にいた若い女性は大火傷をする。
皆同じスローガンを叫んでいた人たちがパニックに陥りバラバラの声を発しはじめる(ここ、なるほどと思った)。

話は数年後、体に障害を負ったその女性の家をリフォームする女性のモノローグで終わる。私はこれからも政治に興味を持つことはないだろうが、といったような。

2本目の「景観の邪魔」。
観ていくほどに面白くなっていき、来てよかった! と心の中で叫んだ。

23区に1人ずついる土地神。3人の土地神(渋谷区、目黒区、中央区)と、その姿が見える者たちのショートストーリーが積み重なり、2040年代の東京の姿があらわになっていく。

東京は徐々に悪くなっていくだろうという先行き感、オリンピックは何かを壊すという殺伐感、東京のボリューム層である流入者の根無し草ゆえの後ろめたさ、といった時代性や東京固有の空気感をベースにしている。
練馬区に住んでいたが愛着はまったくない、と語る若者。引っ越し後、練馬区に実家がある彼女ができ、また練馬に住むことになる。なんの思いもないが、ただ気まずさはある。東京に住む者の多くが抱えるであろう土地に対するあるかなしかの曖昧な思いをよく捉えていると思った。

女性の土地神2人が“この土地に対する愛着を持ってください!”と声を合わせながら輪舞するシーン。その躍動感からか、戦慄するような感動が涌いてきた。

東京の町は美しいのだろうか、という問いがあった。
個人的に岩手から戻ったばかりで、宮古と久慈の古めかしい街並みが目に焼き付いており、東京都心のあまりに隙のないカクカクした街並みに違和感がくすぶっていた。だから一層響いてきた気がする。

ジャンルとしてはファンタジー、都市伝奇、叙事詩か。出演はたった3人、役は見事にくるくる変わっていく。小説や映画ではなく演劇でやったからこそ、観る側のイマジネーションによるのびしろがある作品になったと思う。こういうのがあるから演劇って凄いなぁ。

3本目、「非公式な恋人」。近未来、東京は女性専用都市を宣言。ユーモアあふれる内容だが軽薄に感じられ、2本目の充足感もあり、少し寝そうになった。

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