「ヨブ呼んでるよ」(鳥公園 こまばアゴラ劇場)

Posted on 2017年3月22日. Filed under: 演劇 | タグ: |

「ヨブ呼んでるよ」(鳥公園)、こまばアゴラ劇場で。

20170320_131718

最近足りてない不条理成分を補充できるかな、とちょっと期待して。

舞台に立つ女(「希帆(きほ)」と名乗る)は綺麗だが、これは女の夢であり、現実の女はかなり肥満で生活も荒れまくっていることが示唆される。

女の部屋のテーブルの穴から突如現れた男は「タカオちゃん」と名乗り、夢の常連だ。ただ今回は、夢に登場するだけでなく会話にも成功する。

女はシングルマザーだ(兄だとわかる男との会話からわかってくる)。兄が定期的にやってくるが、精神的に弱い女に対して「正しさ」を諭し「矯正」しようと追い打ちをかける。

夢の中のタカオちゃんはなぜかアパートの大家(女性)の夢にも登場し、蒸発した夫になる。女性は、実際の夫とは違うけどこの顔でしか思い出せない、夢ってそういうことあるでしょ、と(このように夢ならではのギミックがいくつかある)。大家はアパートにひきこもる女を訪ねる。家賃督促のためだが、そこでも希帆は同情され、そして相手の価値基準で救済されようとすることを強く拒絶する。

IMG_20170320_133426

このように現実と夢が継ぎ目なく変転し(後でTwitterを見ると夢をどんどん降りていく、という表現をしている人もいたなぁ)、聖書からの引用がスラスラと口から出てきたり(登場人物に何かが急に憑依するようにも見えた)、無表情に踊りながら理解されない辛さをディスるなど(異化効果を感じた)、演劇ならではの表現に掴まれる瞬間が何度か。女が酒を超スローにのみ惑溺するシーンは、すごいなぁと思ったり。

結末は貧困女性のドキュメンタリーにあるような紋切型っぽく感じられ、やや未消化だと感じた。

希帆、タカオちゃん、ガテン系の兄、チャラけた関西弁の後輩、女性の大家さん。全員が役にハマっていた。こんな俳優たちがいるんだ、裾野が広いなぁと感心した(素人感想)。

チラシを読んで想像していたストーリーの深みはあまりなかったが、ならではの報酬はあった。

(しかし演劇のレビューってのは難しいなぁ。)

広告

Make a Comment

感想やアドバイスがあれば、お気軽にどうぞ

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中

コメント / トラックバック1件 to “「ヨブ呼んでるよ」(鳥公園 こまばアゴラ劇場)”

RSS Feed for du pope : NAKANO Hajime's Blog Comments RSS Feed

[…] 鳥公園は、前回観た「ヨブ呼んでるよ」が妙に面白かったので、洒落たタイポグラフィーで台詞を箴言的にあしらったチラシを見た段階で期待が高まっていた。で、本編もよかった。 […]

いいね


Where's The Comment Form?

Liked it here?
Why not try sites on the blogroll...

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。