南相馬・小高:震災5年めの泥出し 除染で住民にかかる重荷 (援人 0522便)

Posted on 2015年5月24日. Filed under: volunteer | タグ: , , |

南相馬市小高区(避難指示解除準備区域)行き、ボランティアチーム援人、0522便(活動日:2015年5月23日土曜日)の活動記録。

未明、常磐道の楢葉町を過ぎたあたりで空はうっすらと明るくなり、3時半過ぎ、南相馬に着く頃には地平線が赤みを帯びはじめた。

南相馬・小高でボランティア(ボランティアチーム援人 0522便)

朝、「のまおい夢気球プロジェクト」というイベント開催中の原町・雲雀ヶ原では、気球が上がりはじめていた。

南相馬・小高でボランティア(ボランティアチーム援人 0522便)

この日は快晴。強い陽射しだが風は案外涼しく、湿度もあまりないため不快さはあまり感じず。お手伝い先は2軒、2つのお宅とも完了することができた。

朝礼でセンター長から「タタミ50枚搬出、床下のドロ出し…」などと書かれた作業依頼票をもらい、軽く驚く。こんなニーズがまだ出てくるのか、と。

場所は中心部で、国道6号、常磐線の跨線橋、小高川に囲まれた地域(この地形に由来する津波被災の様子を、後で依頼主から聞くことになる)の平屋のお宅だった。以前この地域でお手伝いした方と同じ名字なので聞くと、親戚とのこと。依頼主は小柄だが骨太、日に焼けた60代ぐらいの男性だ。

全部で6部屋ほどの家具を移動、畳を上げて搬出。その後床板を半分ぐらいバールで外し、津波で床下に入った泥を掻き出す。“泥”といっても乾燥しきった板状で、ひび割れている。土砂だけで被災材などは巻き込まれていなかった。手や角スコップで集め、テミでリレーしトンバッグに詰めていく。
狭い床のスペースに屈むのは小柄な人が有利で、この作業では女性が活躍した。

南相馬・小高でボランティア(ボランティアチーム援人 0522便)

外した床板は再利用したいとのことだったので、庭に持ち出して釘を外し、まとめて積み上げる。
この床板の釘抜きに依頼主も加わり、縁側で淡々と作業を続けていたボランティアによるお手伝いは、依頼された作業をこなすという以上に、依頼主をやんわりと励ますという面がある。そして依頼主もまた自ら動くことで応える、というボディーランゲージのやり取りのような側面があると思う。今回もそんな空気が流れていた。

全体の進捗を見ながら他には? と伺うと、追加依頼で台所のキャビネットと換気扇外し。
そして床下のストッカーを外してみると、やはり土砂が溜まっている。すでにヘッドライトを付けていたYさんに倣ってヘルメットに取り付け、一緒に腹這いになって潜って泥出しをした。小柄なSさん(女性)にテミの中継をしてもらう。

このお宅は、納屋の壁の1mほどの高さのところに津波が達した跡がついていた。
休憩のとき、震災当日のお話を伺う。国道6号を越えた津波は、小高駅などにぶつかり戻ってきた。小高川方面に向かう黒い水がこの一帯に入り込み、同時に沢山の車が流れ着いた。人が乗っている車も見えたという。後日、車中から遺体で見つかった人もいた…。

ご主人は避難指示が解除されたら帰還するつもりだ。大工さんに家の修繕の相談をしたところ、早くて7月着手だが、畳上げ済みならすぐできるといわれたので今回ボラセンに依頼したのだという。

南相馬・小高でボランティア(ボランティアチーム援人 0522便)

浸水家屋の畳上げ・床下の泥出しは2011年には大量にあったニーズで、2015年の今は異例のものだ。が、小高では、2013年に震災後一度も開けていない冷蔵庫の処分のお手伝いなども経験している。
原発災害で人々は方々に避難し、新たな地で懸命に生きる人もいる。帰還についての考えもさまざまだ。避難指示解除は一つの大きな節目だが、全員が同じ時期に向き合う余力があるかといえばそうではない。人の考える速度や決断のタイミングはそれぞれ違うものだ。
原発災害から4年2ヵ月は長すぎるとはいえず、5年を刻限とするのも性急だろう、と改めて感じる。

午後は2件め、原町区の避難指示区域にあるお宅へ。
以前別チームが一旦完了した現場の追加依頼だ。「息子が帰りたがるような状況にしたい」という言葉を聞き、センターが再度受けたものだとか。大径木の玉切りニーズを含むため、援人10人と木こり隊(ボラセン常連メンバーでも特にチェーンソーの扱いに長けた人たち)2人で一緒に向かう。

行くと、依頼主の女性が作業服姿の数人と敷地内を歩き話をしていた。相手は市の除染担当の人たちで、このお宅でこれから始まる除染作業の打ち合わせらしい。
作業道具を降ろしながら聞いていると、あれはやります、これはダメといった査定のようなことをしている。被災財の片付け依頼2ヶ所のうち1つめ、雑木やブロック片は市がそのまま(トンバッグ詰めなしで)持って行ってくれるとわかった。大径木の玉切りのみ必要らしい。

南相馬・小高でボランティア(ボランティアチーム援人 0522便)

もう1ヵ所の方でしばらく作業をしていると、依頼主がやってきた。隣家との境の雑木や竹(合わせて20本ほど)は除染の際に伐採してくれないようなので、伐ってくれないかという。
行政の除染作業の細目と、住民が負担すべき作業の線引きは、現場でないとわからないのだな…と感じる。困るのは被災者で、補うのはぼくたちボランティアなのだ。

南相馬・小高でボランティア(ボランティアチーム援人 0522便)
15時すぎ、追加依頼の雑木を合わせてトンバッグ合計5つにパンパンに詰め込み、ニーズ完了。

依頼主(50代ぐらいの女性)は、息子は帰らないかもしれないが私はここでがんばるつもり、以前は草刈りなどは父がやっていたのでしたことがなかったが、今ではうまくなった、と笑っていた。最近はお宅に頻繁に通って手入れをしているという。

夕食はいつもの通り、二本松・杉乃家さん。今日はシンプルにカツ丼にした。
これでもか!ってほど敷き詰められているカツを見て、今週あった色々なことを全部許したい、と思った。

南相馬・小高でボランティア(ボランティアチーム援人 0522便)

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