雛人形を捨てる そして入院中のお父さんのための“証拠写真”(援人号 1101便)

Posted on 2013年11月2日. Filed under: 未分類 | タグ: |

援人号1101便(活動日:2013年11月2日土曜日)、お手伝いの記録。

この日、まず午前の行き先は、センターから徒歩で3分ほど個人宅だった。

前の週に援人がお手伝いしたお宅で、家財の分別・廃棄作業の続きとなった。
朝、小高川沿いのお宅に行くと、依頼主の初老の女性が1人待っていた。家の中はほとんど家財がなくがらんとしており、縁側や庭には廃棄するものが山積みされている。
事情を知らない人が見たら異常な光景だが、この依頼主は長く迷った末に決められたのだ(と、前回このお宅を手伝ったメンバーから聞いていた)。

南相馬・小高で家財廃棄・草刈りのお手伝い(援人 1101便)

家具や収納ケースは分解してトンパックに詰め、趣味で描いた油絵や手芸の品々も押し込んでいくと、トンパックの数はどんどん増えていき、最後には12袋分にもなった。
ぼく自身が触れたもので強く記憶に残ったのは、立派な雛人形だった。小箱に入った飾り物や人形が何箱にも分けて箱詰めされ、飾り付けについて家族に宛てたメモなども入っていた。人の形をしたものを捨てるのは、いつも特に気が重い。

センターに戻って昼食休憩を取り、午後は二件めの依頼先へ。ニーズ票には「家周りの草刈り」とあった。

中心部から外れ、人家もまばらになった地域にあるお宅に着くと、シルバーカートに座ったシニア女性が見守る中、庭木の手入れをしている中年の男性がいた。依頼主のSさんだった。
Sさんと共にまず敷地内を見て回る。家屋の後背地には雑草の生えた土地が広がっていた。畑だったという。

Sさんのお宅では、原発事故による避難の後、お父さんが体調を崩してしまった。長く避難先の家で寝たきりだったが、ついに入院することになった。そこで時間に余裕ができたため、最近少しずつ自宅の手入れに通っているのだという。

依頼されたのは畑の草刈りの他、雑木林の竹の伐採などだ。
残念ながらチェーンソーなどが必要な太い木や竹は残すことになったが、それ以外は時間ギリギリに終了した。

南相馬・小高で家財廃棄・草刈りのお手伝い(援人 1101便)

作業後の状態を見ていただくためSさんに報告すると、「草刈りが終わった畑をあなたたちと一緒に写真に撮りたい。親父を安心させたいから」と。入院中のお父さんが家の状態を気にしているのだという。
こういう経験はあまりなく、笑うのは難しかったが、デジタル一眼レフカメラで数枚、集合写真を撮っていただいた(後日センター経由で送っていただいた写真を見ると、メンバー全員固い表情で写っていた)。

ぼくらがやっている家財の片付けや草刈りなどのお手伝いで、小高の人の小さな安心や希望が生まれているのだ、という実感をあらためて抱いた。こういうちょっとした気づきが、お手伝いを続ける上での糧となる。

糧といえば。
この日、午前のお手伝い先で依頼主から差し入れてもらった「凍天(しみてん)」。南相馬の名物の一つだが、揚げたての温かさが残っていて、とてもおいしく、心遣いがうれしかった。

南相馬・小高で家財廃棄・草刈りのお手伝い(援人 1101便)

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