「ビルマVJ 消された革命」「闇への一歩」の感想(アムネスティ・フィルム・フェスティバル2011)

Posted on 2011年1月30日. Filed under: 未分類 | タグ: , , , |

「アムネスティ・フィルム・フェスティバル2011」の1日目(2011年1月29日)に行ってきた。

開催概要 2011 | AMNESTY INTERNATIONAL JAPAN
http://www.amnesty.or.jp/modules/wfsection/article.php?articleid=3286

知らない人のために書いておくと、アムネスティ・インターナショナルは人権擁護・救済活動に取り組むNGOで、今年で50周年を迎える。1977年にはノーベル平和賞を受賞している。

amnesty film festival, shinbashi, tokyo

全部で4本の映画のうち、印象に残った2本の感想を。

「ビルマVJ 消された革命」

まずは、軍事政権下にあるビルマの現状を描いた「ビルマVJ 消された革命」。

ビルマVJ 消された革命 | AMNESTY INTERNATIONAL JAPAN
http://www.amnesty.or.jp/modules/wfsection/article.php?articleid=3474
ビルマVJ 消された革命
http://www.burmavj.jp/

タイトルの「VJ」は「ビデオジャーナリスト」を指しているようだ。

ビルマ(ミャンマー。以後ビルマで統一)の暴政を世界に伝えるため、隠し撮りカメラをまわすアンダーグラウンドのジャーナリストたちが撮った映像で構成されたドキュメンタリー。彼らは「ビルマ民主の声」と名乗り、「ジョシュア(たぶん偽名)」というリーダーを中心に行動している。ノルウェーのオスロに拠点があるらしい。

2011年11月にあったアウンサン・スーチーさんの解放以前に作られた映画だという点であまり期待してない部分があった。また、冒頭は語り手ジョシュアのモノローグが多めで、あまり感情移入できずに観ていた。が、彼らが決死の覚悟で撮り続ける映像の力に徐々に引き込まれていった。

この映画が描く2007年9月の大規模デモと弾圧(2007年ミャンマー反政府デモ – Wikipedia)は、「サフラン革命」と呼ばれているらしい。
ビルマの国教は仏教であり、僧侶は敬われている。その僧侶を警察が殴ったことをきっかけに、まずは数十人の僧侶たちが歩きはじめる。托鉢に使う鉢を逆さまに掲げて(これは抗議の意味があるらしい)。粛々と歩く彼らの周りに徐々に人びとが従いはじめ、道沿いやビルの窓、屋上などから沢山の人びとが手を叩いて支持する。(後のトークショーで、ビルマ難民の救済を続ける弁護士の方が「この動きは学生組織が事前に周到に計画したものだったのではないか」と推測していた)

静かな表情だが決然と歩き続ける僧侶たちの姿を追う映像に、心が揺さぶられる。涙が湧いてくる。気がつくと、周囲の席からも鼻をすする音が聞こえていた。

デモ、示威行動とはなんだろう。また、最終的には「殺す」という手段をちらつかせる機構に立ち向かうとき(実際にこのときジャーナリストの長井健司さんは至近距離から撃たれ殺された)、人は何を考え、どんな覚悟で行動するのだろう、と考えた。
また、数万人規模に膨らむ人びとの自己組織的なうねりに、個人を超えた集団的意思を見るような不思議な感じがした。

「闇への一歩」

次は、自爆テロに至るイラク人少女を描いた「闇への一歩」という映画。

闇への一歩 | AMNESTY INTERNATIONAL JAPAN
http://www.amnesty.or.jp/modules/wfsection/article.php?articleid=3477
Buyuk oyun (2009) – IMDb
http://www.imdb.com/title/tt1363362/

イラクののどかな村が、反政府勢力が潜んでいると誤認したアメリカ軍に急襲され、住人は虐殺される。一人生き残った少女は、村を離れて床屋を営んでいた兄を訪ねるが、兄も爆弾テロに巻き込まれ、重症のためトルコの病院に搬送されたと聞かされる。歩いてトルコをめざす彼女は、さまざまな人たちと関わるうちに追い詰められ、自爆テロに駆り立てられていく…というストーリー。

冒頭の米軍襲撃シーンなどはVシネみたいな安っぽさがあるし、トルコ国境をめざす旅の描写などは単調すぎて眠気を催したりしたが(この日4本めの映画だったこともあって)、後半はストーリー運びも登場人物たちの動きも俄然緊密になり、面白くなってくる。
イラク、イスラム急進派、自爆テロといったモチーフがありながらハリウッド映画のように型にはまったエンターテイメントではないし、かといって教条的なテーマを訴えるだけでもない、高いバランスの上に成り立っている映画だ。結末も含めて(ネタばれしないでおくが)印象に残る佳作だと思う。

この映画、チャンスがあったらぜひ観てほしい。

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