みんぱく(国立民族学博物館)に行ってきた。民族を超えるつながりとか突出とか

Posted on 2010年12月13日. Filed under: 未分類 | タグ: , , , , |

先週末、大阪の国立民族学博物館(みんぱく)に行ってきた。

国立民族学博物館(みんぱく)|National Museum of Ethnology
http://www.minpaku.ac.jp/

国立民族学博物館(大阪) National Museum of Ethnology(Osaka)

今年は先住民族とアートの講座に出たりアイヌ文化の講座に飛び込んだりで、後付けで言えば少数民族や民俗学的なものにハマった年だった。で、みんぱくは北海道外ではアイヌ文化関連の収蔵品が群を抜いて多いこと、ついでに(失礼)世界の民族文化が幅広く展示されていることを知って行きたい欲が高まり、一泊旅行で行ってきた。

大阪中心部から約30分、太陽の塔をシンボルとする万博公園内に博物館はある。
広い施設内に9地域に分けられた展示物が膨大にあり(今回触れられなかったがビデオや図書もあり)、開館の10時から16時までいて結局全部見きれなかった。
最後の方の「東アジア展示・アイヌの文化」に時間を取りたかったので、後半の中央・北アジアなどはぶっ飛ばすしかなかった。2010年12月現在、アメリカ展示・オセアニア展示は改装中で、つまり全体の2割ぐらいは見られない。これがフル展示状態なら、よほどアンテナを低くして通り過ぎないと1日で見るのは無理だ。

以下、感想。

  • 「通文化展示」というのがあり、「音楽」と「言語」の2テーマ。入っていきなりの音楽展示は楽器と儀礼、共同体、社会といった関わりを横断的に見せるもので、面白くて1時間ぐらいハマってしまった。言語展示では、文化の多様性と共に身体障害もカバーしていた
  • 被差別部落の太鼓」、「パレスチナ人の離散(The Palestinian Diaspora)」、「植民地の経験」、「(ロム、シンティの)家馬車」など、歴史上の弱者や受難者にスポットを当てた展示がところどころにあり、印象的だった
  • 最近改装されたというアフリカ展示は、歴史的な標本だけでなく「働く」「憩う」「装う」「祈る」という切り口での現代文化の紹介から進行中の難民問題や少数民族の闘争までの流れ。とてもいい見せ方だと思った
  • 時間がなく駆け足だったが、インド各地の神々の(ぼくの常識から見た場合の)異形ぶり(「村の鬼神たち」)に強く惹きつけられた。面白いなぁ
  • 鹿野忠雄という人の業績を特集した台湾原住民族の文化」コーナーで、アイヌやアメリカ先住民にも似たイラストに衝撃を受ける
  • フィンランド/ノルウェーのサーミ族の文化も期待したけど、展示はなし。残念…(アメリカ展示がクローズ中なのでイヌイットもなし…)
  • ぼくにとってのメインが「東アジア展示・アイヌの文化」。そのアイヌ文化に辿り着く前に、ニブヒ、ウィルタの偶像や、名前だけ知っていたナナイ(ナーナイ)族(アムール川沿いの少数民族)の精霊像が現れたのには、まったく期待してなかったこともあって興奮した
  • 日本の北海道アイヌだけでなくサハリン(樺太)アイヌクリール(千島)アイヌの展示物もあり、大きくは共通点があるものの違う個性も見え、面白かった
  • アイヌの狩猟文化、漁労文化と並んで農耕具の紹介(「アイヌの農耕」)もされていたのは興味深かった
  • 熊送り(イオマンテ)の花矢は、本物を初めて見た。ちょっと感動した
  • ニブヒ、ウィルタにも似たものがあるアイヌの祭具イナウ(けずりかけ)は、続く日本の展示では「幣(へい)・御幣(ごへい)」につながっていくのだ(木だけで作られた幣もあった)。実際に関連があるのかどうかは知らないが、つながっているんだと思えた

1日中、見尽くせないほどの世界の民族文化に夢中になった。
博物館という場所がある意図をもって編集されている点は割り引いて考えるにしても、個々の民族を超えるつながり・連続性と、それをひっくり返すような個性の突出が交互に現れるように感じた。いずれにしろ、並の修辞を超えた深い豊かさだ。

館内を歩きながら「見なければもったいない!」という気持ちがどんどん高まっていったが、これは縮図なのだから、知らなければもったいないのは外の世界そのものなんじゃないかとも後で考えた。草薙素子は「ネットは広大だわ」とつぶやいたけど、人間の想像力が創り上げた世界の文化こそ広大だよ。

みんぱく、とてもよかった。
オセアニア展示とアメリカ展示が復活する頃にまた行こうと思う。

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