「吉越式会議」メモ:早朝会議は「ほったらかしになっていた、こうあるべき」をやりきる原動力

Posted on 2010年1月22日. Filed under: 未分類 | タグ: , , |

吉越浩一郎(元トリンプ社長)さんの「吉越式会議」、読了。というか2.5回読んだ。

ぼくは吉越さんが現役時代からのファンで、「早朝会議革命」(これの著者は吉越さんではないが)「2分以内で仕事は決断しなさい」「革命社長」は再読すべき本としてデスク上に置いてある。「2分以内で…」は社員全員に読ませた。

トリンプ退任後、ラッシュのごとく出ている吉越さんの本には食指が伸びなかったが、この本は吉越ウェイの最重要なプラクティスである「早朝会議(MS会議)」についての本だから見逃すわけにはいかなかった。

先に結論を言うと、これまでの本と重複はあるが、この本だけの重要な収穫があった。特によかったのが、「早朝会議の議題は何を解決するものか」について、より踏み込んだ説明があったこと。読んでよかった。

以下、重要なところ。
(吉越本を味読してしてきたぼく向けであって、万人向けではないかも)。

  • 吉越社長時代、トリンプは19年連続で増収増益を果たしたが、増収増益を「目指した」ことは一度もない。成功の最大の要因は「会議」だ
  • 会議で取り上げた議題について、報告のやり直しを命じる際のデッドラインは原則的に翌日。「なるべく早く」などという指示はありえない。早くする理由は、命じた側も担当者も忘れていない時点でさらに詰めることができるから(注:別の本で吉越さんは「宿題は発生したその瞬間にやるのが一番面白い」と言っている。これも重要)
  • 全社会議で細かいことまで取り上げることが逆にいい。上司の正しい姿勢は、任せながらも気にかかることはチェックしていくこと
  • 「こうすればもっと効率的になるのに」「こうすれは生産性が上がるのに」という思いを一杯抱えながら日々の仕事に忙殺される──という悪循環を断つのが「会議」。いったん出た議題は、策が打たれるまで追いかけ続ける。会社にとって「あきらめ」は最大の敵
  • 会議はものごとを決める場。顕在化した課題について「誰が、何を、いつまでに」というデッドラインを決めろ
  • 仕事を「緊急度」「重要度」という軸のマトリクスに落とすと、社員はまず「緊急で重要」な仕事(1)にかかる。次に「緊急だが重要でない」(2)の仕事に目が向く。このように、社員は緊急度でプライオリティーを付けてしまう。この「個人視点」を「会社視点」に変えさせ、「重要だが緊急ではない」仕事(3)に取り組ませるのが、会議の真の目的
  • 会議をやると(3)の仕事に山のように出会う。それについて、社員も実は案外よく認識していて、アイディアも持っている。それをどこまで徹底してやれるか。結果を左右するのは「徹底度」だ
  • 吉越式会議は、仕事のスピードも速める。「早く判断しようとすること」「「早く実行に取りかかろうとする意識」こそが仕事スピードを速める秘訣だ
  • 経営者・上司は元々嫌われる立場であり、会議運営は叱咤が基本。賛辞が飛び交う会議は、議長のレベルが低く、問題点・改善点が見えていないということ
  • 経営者が、ロジックもプロセスも飛ばして部下に「売上を上げろ」と言うな。トップが下に“火の用心”と言っても、さらに下にただ“火の用心”と伝わっていくだけ。具体案・行動計画に落とさないなら、何も言わないのと同じ
  • 各部門の進捗を見るために、「管理目標項目」(目標数値)、「維持項目」(一度達成したが常に見続けていく数値)、「数値で追えない管理目標項目」の3つを提出させる
  • 大きな問題というのは、えてして小さな問題同士がつながって起こる。問題一つではなかなか燃えない。常日ごろから目を見開いて、問題を小分けにして潰していけ
  • できていないのに、なぜマニュアルを作らないのか。人間はそれほど優れた生き物ではない。マニュアルを作り、改善・変更を積極的に行え。これが(3)の領域の代表的な仕事
  • マニュアルが変化していないということは、仕事がまったく進化していないということだと評価せよ
  • 他社の動きやニュース報道が会議の議題のヒントになる
  • 2分以内で一つの議題を終えることができるのは、正しい方向でデッドラインを引くことだけに集中するから。優秀な人でも、その場で問題を聞いてすぐ解決策が示すことはできない
  • 朝令暮改はまったくありうる話。全員で共有している情報に新しい情報が加わることで、まったく違う結論になることもある。その場その場でベストな判断をせよ
  • 細かいことを議題にするかどうか決めるのは経営者自身。小さな現象への「?」が大きな問題の一部かもしれない
  • 会社というのは、よくよく眺めてみると、「どうしてこれはこうなんだろう」ということが山ほどあるものです。そして、それを聞いても、実は誰も答えられない。これこそ(3)の仕事です
  • (3)の仕事は、「ほったらかしになっていた、こうあるべき
  • 問題を突き詰めていくと(3)の仕事は沢山出てくるが、あれもこれもと張り切りすぎると部下が潰れてしまう。ぐっとこらえて優先順位をつけ、これだけはまずやっておこうという大きな課題から始めよ
  • 多くの会社ができていないから自社もできない、は言い訳にならない。競い合いという観点からいえば、他社ができていないからこそやる意味がある(千葉県に、救急車を一度も断ったことがない病院があるという)
  • 社員の「できない」のオンパレードを前にして、難しいことをやろう、挑もう、と言えるのはトップだけ

最後にメモがてら、ぼくが経営書について考えていることを。

経営についての本は沢山出ているが、「賢い理論・施策」が「本当に・徹底的に実行されたか」「効果が上がったのか」というポイントが抜けているものが多い。本を書く人の多くは「美しい理論・賢い施策」を見つけることに夢中であって、「実行」には興味がないからだ。そして世の中の経営者にも、カッコいいことを考えることに熱中して「いかに隅々まで、徹底的に実行するか」をないがしろにする人が結構いる(社員や会社内を見るとわかることが多い)。

「できた」「成果が上がった」というエビデンスがない考えは「美しい作文」と割り引いて考えるべきだ。逆に「19期連続増収増益」しかも「残業撤廃」(+αいろいろ)を成し遂げた吉越さんのような人の言説は吸収しまくるべきだと思う。

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Google alertのメールよりアクセスです。吉超さんの本は仕事のスピーディーさが伝わってきますね。持っていない本は買おうと思います。


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