バングラデシュのストリートチルドレンを描いた映画「アリ地獄のような街」の試写会に行ってきた

Posted on 2009年9月25日. Filed under: 未分類 | タグ: |

9月17日、バングラデシュのストリートチルドレンの現実を描いた映画「アリ地獄のような街(The Whirlpool)」を、試写会で観てきた。

「アリ地獄のような街」 オフィシャルサイト

http://www.arijigoku.net/
「アリ地獄のような街」

この映画は、バングラシデュの路上生活を送る子どもたちに教育や住居などの援助を行うNGO「エクマットラ(EKMATTRA)」代表のショポシシュ・ロイ氏が自ら初監督した。
映画をつくった目的は、アジア最貧国といわれるバングラデシュの貧困の現実を多くの人に知ってもらい、また、収益はエクマットラが子どもの支援として行ってきた青空教室、シェルターホームに続くプロジェクト「エクマットラアカデミー(高等教育機関)」の設立資金として活かすのだという。

渡辺大樹さんがエクマットラをはじめたきっかけ

一時帰国中であり、会場で挨拶をされたエクマットラ共同創設者の渡辺大樹さん。
渡辺さんは大学時代にヨット部に所属。ヨットの大会で訪れたタイのプーケットで、豪華な二階建てバスから見た地平線まで広がるスラムに衝撃を受ける。偶然生まれた場所で人の選択肢が決まってしまう現実に憤りを感じ、この問題に取り組むことを決めたという。

バングラデシュではダッカ大学に入学し、現地の学生に呼びかけ「EK(1本の)+MATTRA(線)」というNGOを立ち上げた。首都ダッカには推計30~40万人がストリートチルドレンがいるが、エクマットラは青空教室で30~40人に教え、シェルターホームに20人を住まわせ、設立予定のアカデミーでは100人を受け入れる予定らしい。

映画「アリ地獄のような街」はどうだったか

映画「アリ地獄のような街」の感想。志はリスペクトするけども、映画としてはちょっと退屈だった。本当に申し訳ないけど。

「シティ・オブ・ゴッド」みたいな映画なのかな、とか勝手に期待したせいもあるかも。が、話の運びがどうもモタモタしていて、描写も淡白でディテール不足。主人公の少年が路上で雑魚寝するシーンなどはあるけど「悲惨さ」「辛さ」は伝わってこない。ハリウッド製を筆頭にあらゆる映画を飽食してきた日本人には響かないレベルだと思った。

社会問題を訴えるツールとして映画はダメなのかといえば、そんなことはない。
子どもに焦点を当てた映画といえば、寓話性は強いが「それでも生きる子供たちへ」。ソマリアの子ども兵士の話「タンザ」、HIV感染を描いた「アメリカのイエスの子ら」、富裕な子と貧しい子の一瞬のかかわりを描いた「桑桑と子猫」などは印象に残った。
ドキュメンタリーでは、フィリピンの巨大なゴミ捨て場で生きる人たちを描いた「神の子たち」(四ノ宮浩監督)は忘れることができない。
最近では、インドの売春窟で暮らす子どもたちを描いた「未来を写した子どもたち」は、淡々とした映像だったが強く印象に残り、映画を観た後には、Kids with Camerasという団体のサイトを丹念に見てしまった。
この2本はどっちもドキュメンタリー映画だ。

渡辺さんのアツい話は魅力的だったし、ぼく個人としてはぜひエクマットラの活動を描いたドキュメンタリー映画を観てみたい! と思った。

渡辺さんの話から補足しておくと、映画制作には「貧富の差を当たり前のものと捉え、国の発展のために力を使おうとしない多くのバングラデシュ人たち」に気づいてもらいたいという狙いがあり、実際に観終わった学生たちは「こういう映画を待っていた」と感激したという。
この話で、問題に取り組むためにはまず「物語」が必要なんだ、映画はそういう共鳴装置の役割も果たすんだ、と納得した。この映画はそういう役割も持っているんだと思う。

マザーハウスの山口絵理子さんを交えての話

映画の後にマザーハウスの山口絵理子さんが登壇、渡辺さんとの対談となった。お二人は、山口さんがまだ起業する前にバングラデシュで会っていて古い友人とのこと。

山口さんの映画への感想は、「がんばらなきゃなと思った。自分たちの工場を大きくすることがこういう問題を解決すると考えてやってきたが、改めて初心に戻る機会を与えられた」。

以下、山口さんの話から抜粋。

  • (NGOなどが)バングラデシュに学校を作るのはいいが、卒業生たちの目は海外に向いている(国の発展に貢献しない)。優秀な大学生たちも必死で仕事探しをする。せっかくの教育も労働市場とリンクしないと意味がない
  • バングラデシュには国際的なマーケットについての情報が入ってこない。たとえばネパールには観光客が流行の情報を持ってくる。観光産業がないバングラデシュは遅れたまま
  • プロダクトによって国のイメージを変えていきたい。じゃがいもの袋だったジュードをファッション品に変え、先進国の顧客を驚かせたい。先進国のバイヤーは口を開けば「中国と比べてどれだけ安いのか、速いのか」だったが、最近は「バングラデシュでマザーハウスに負けない安いものを作りたい」とユニクロの担当者もやってきた

話のキレがよく言い澱みがない。バリバリの経営者の話し方だと思った。

それだけでなく、こうなっていきたいんだという「思い」、そこに向かっているんだという「楽しさ」が話の端々から伝わってくる。渡辺さんの「子どもたちが鉛筆を一杯抱える姿」「路上生活をしていた子どもが学級委員になる」といった話の中からもそんなものがぐぅーっと感じられ、沸き立つような気持ちになった。

お二人とも、デカい夢をかなえているんだよなー、と思った。

これ以上思ったことを書いても陳腐になるばかりなので、最後にエクマットラへのリンクを張っておきます。
ぼくも寄付などしてくるつもり。

EKMATTRA(エクマットラ) || バングラデシュでストリートチルドレンのために活動しています
http://www.ekmattra.org/JAP/

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