「まじめなことを不真面目に」や「場外乱闘」が増えたら世の中もっと豊かになる、と思えた平田さんの話(WebSigエコピ勉強会)

Posted on 2008年12月12日. Filed under: WebSig eco & peace | タグ: , , , |

(2008年)12月3日のWebSigエコピ勉強会にゲストとしてお招きした「畑がついてるエコアパートをつくろう」の平田裕之さんの話がとてもよかったので、感想をシェア。先週はWebSig系イベントが3つ(エコピ、NewNew、年末会議)もあり、その全部にメインで関わっていたので今ごろになってしまったんですが。

イベントの概略は以前のエントリー、

「畑がついてるエコアパートをつくろう」の平田さんの話が聴けるよ
https://nakanohajime.wordpress.com/2008/11/27/ecoandpeace_ecoapartment/

にあるけど、平田さんは東京都足立区に“エコアパート”という、環境配慮型であり、土間や畑が、ついでにコミュニティまでくっついたオルタナティブな集合住宅を建てる中心になった人です。

前回のエントリーでも、このエコアパートプロジェクトには低炭素社会とか、コミュニティの再生とか、森を守ることとか、自分で作って食べることとか、それらをひっくるめてビジネスに還元するとかいろんな学ぶべき要素が含まれていると書きました(あと、その成功にウェブが重要な役割を果たしているってのもウェブ屋的には要注目ポイント)。

で、実際に勉強会で平田さんのお話を聴いてみて、改めてぼくに響いたポイントをまとめておきます。

「俺の方がすごいことやってるのになんで騒がれないんだ」

平田さんはエコアパート以前、全国を放浪しながら巨樹を訪ねる旅をしていたとか(「森の語り部たち」に詳しくまとまっている)。それはいろんな意味で過酷な旅だったらしいが、自分が旅の最中マスコミにまったく注目されないのに、ほぼ同じペースで日本を南下していた「リヤカーおじさん」がラジオで騒がれているのを知って感じたこと、がこれらしい。

世の中にはよい志をもってすごいことをしているのに、知られることに成功していない人がいる。よいことをするのも大事、だけどそれを伝えるのも同じく大事だ。

平田さんの場合、この巨樹の旅、足立区のコミュニティーガーデンと連動したポータルサイト「グリーンプロジェクト」運営、そしてエコアパートと進むにつれ、「やること」と「伝えること」を両輪にし、世の中との波長を合わせてきたところがすごいなぁと改めて思った。

「まじめなことを不真面目にやる」

平田さんが今お仕事をしているのは「地球環境パートナーシッププラザ(GEIC)」。この団体の使命は、NPO、企業、行政などがうまくコラボレーションできるよう啓蒙やマッチングを行うことらしい。

それでおっしゃるには「NPOはコンテンツ(中身)は面白い。でも仕掛けがうまくない」。これはいろんなところで言われていることだけど。

つまり「よいことをまじめにやる」が(多くの)NPOの現状。オレオレ詐欺や迷惑メールのように「悪いことをまじめにやる」のは当然ダメだが、NPOは「よいことを不真面目に(面白おかしく)やる」ことでもっと成果をあげられるんじゃないか、という話だ。

この部分、ウェブ屋も含めプロフェッショナルボランティア(自分の専門スキルで非営利団体などに貢献する人たち)が、もっとコラボできる部分じゃないか。

「グリーンツーリズム付き自動車学校」

平田さんが挙げてくれたNPOと企業のつながり事例で、当日かなりウケていたが、合宿型教習の合間に農作業体験ができちゃう自動車学校の話。教習所の先生は暇な時期には椎茸栽培もするとか。

紹介しているブログから引用。
パートナーシップ大賞-いつだってウェルカム
http://blog.canpan.info/welcome/archive/5

こんなユニークな協働も発表された。岩手県の遠野市は柳田國男の遠野物語で有名だが最近は知らない若者も多い。その遠野にある高田自動車学校は夏休みなどを利用した合宿型教習がかき入れ時だが、教習の合間に農作業体験や乗馬体験などを入れたメニューで入校生3倍増を果たした。これは地元の里山や暮らしの保護をミッションとするNPOとの協働事業である。
両者の協働はこれだけにとどまらない。教習所の先生が閑な時期はちょうど里山の手入れが忙しい時期に当たるというので、しいたけ栽培を協働して自動車学校の収入増と里山の維持の両立をはかるという奇想天外なことまでやってのけている。

ぼくらがした方がいいことは、こういうのを「ユニークな事例だ」で片付けず、「これからの事例だ」と考えて吸収することだと思う。

「そよ風」

「そよ風」は、ぜひ平田さんの「畑がついてるエコアパートをつくろう」を読んでほしい理由のひとつで、エコアパについてる安価でシンプルな太陽熱利用システムのこと。

詳細は以下のページを見てほしいんだけど、

太陽熱利用システム-畑がついてるエコアパートをつくろう
http://blog.canpan.info/eco-apa/archive/91
環境創機 Kankyosouki Home Page ソーラーは《そよ風》
http://www.kankyosouki.co.jp/index.html

冬は太陽熱からつくった温風を循環させ、夏は排気やエアコンの冷機を循環させるという、家が“生きている”ような仕組み。電気や石油をガンガン注ぎ込んで自然に対抗するのでなく、受け流しつつ利用もするようなエレガントさがある。
これは、もっともっと普及してほしいなぁ。

「場外乱闘していくような仕掛け」

これは「エコアパート」本に出てきた中ではぼくにとても刺さった言葉で、平田さんに質問もしてしまったほど。検索してみたらブログにもあったので引用してみる。

広がりある「エコ」な設計とは?-畑がついてるエコアパートをつくろう
http://blog.canpan.info/eco-apa/archive/31

『建物』と『住まい手』の関係だけで完結するのではなく、いかにそこから『場外乱闘していくような仕掛け』を作れるかがテーマである。
(…)
建物のデザインだけでなく、家から庭に、庭からご近所に、ご近所から地域へといった具合に、住まい手の生活環境が広がりある良質なものとなるようなデザインを「エコアパートのデザイン」として実現できないだろうかと考えている。

そういえば先週、簡単な方からやっつけようと2008年のエコピ勉強会を振り返る的エントリーを「エコピのブログ」に書いた。

エコピ勉強会の2008年いろいろ:「つながりの回復」がテーマだったのかも – エコピのブログ
http://ecopi.websig247.jp/blog/2008/12/2008.html

そこで、

2008年に学んだことを振り返ると、「つながり(と、その回復や創造)」が基調というか通奏低音のように流れていたのではないか、なんて考えます。

って風にまとめたんだけど、平田さんの言う「場外乱闘」は、この「つながり」や「関係性」を“リッチ化”するための手法と言えるんじゃないか。ぼくのあるブログ記事に、はてブで「ゼロ成長期論」ってタグを付けた人がいてなるほどぉと思ったことがある。「場外乱闘」は、ゼロ成長期にはかなり重要な知恵だと思う。

で、こういう考え方に接すると、ぼくらの業界に限らずビジネスの世界は「顧客は無尽蔵にいる」という前提で焼畑農業的アプローチをやってるケースが多いんじゃないか、それってそろそろどうなの? って感じもする。

場外乱闘」。自分が何か仕組みづくりに関わるようなときは、この考えを活かそうと思う。

以上、感想でした。

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