WebSig会議「ビジネスに繋げるアクセス解析マインド」感想:膨大な数値に圧されず「なぜ?」と問う力はどこから? とか
先週末(2008年5月24日)に行われた、WebSig会議「ビジネスに繋げるアクセス解析マインド」の感想です。
第18回WebSig会議「ビジネスに繋げるアクセス解析マインド」終了しました (WebSig24/7)
http://websig247.jp/meeting/18/000092.html
2008年頭からWebSigは、「今後どこをめざす?」といったそもそも論をやり直したり、新たなモデレータを加えたりとリセット期間を設けたので(この経緯については以前「WebSig24/7:「アクセス解析」アンケートのお願い&ネオWebSigについて(黎明編)」という記事で書いた)、勉強会は2007年11月以来と久々だった。
勉強会冒頭で、代表の和田さんが「WebSig“セカンドステージ”」というキーワードで説明していたが、これからのWebSigのポイントは(当初からめざしていたところでもあったけど)、狭義のWeb屋だけでなくいろんなステークホルダー、顧客(いわゆるWeb担な人)はもちろんエンドユーザーもより意識していこうって点や、いろんなプロセスをよりオープンにしていこうって点だ。
で、今回のセミナー本編でも「よりオープンに」のための試みがあった。
モデレーターであり、movaTwitterの作者でもあるえふしんさんが「セミッター」を作ったのはかなり前のことだけど、今回は独自ドメインも取り、
イベント共有! セミッター
http://semitter.com/
動画を観ながらTwitterでチャットができ、それがニコニコ動画風の字幕として表示される仕掛けになった。
授業中、講義中、セミナー中などにヒソヒソ話するのは普通タブーだけど、それを公然とやることができて、会場はもちろんTwitter界隈にもフィードバックするのが「セミッター」のすごいところだ。これが楽しく、「勉強会に参加する」という体験がとてもスティッキーなものになったと思う。あんけいさんのヒントに富む話を聴きながら、セミッター上でこんなtweetを目にするというのはなかなか刺激的だった。
Twitter / daishiro: @websig247 実はエラーログの設計が重要なんですよね
http://twitter.com/d4r/statuses/818800036
実はエラーログの設計が重要なんですよね
Twitter / えふしん: @websig247 リリースする前にわかることなんて…
http://twitter.com/fshin2000/statuses/818800625
リリースする前にわかることなんて例えば40%ぐらいってのはIAを意識してる人ほど実感できるんじゃないかと。
ひとつ惜しかったのは、講演中のあんけいさんがチャットにリアルタイムに応答する場面はなかった点。これはイベント設計の問題だけど。
なお、動画中継のサポートは茂出木さん( 株式会社キッズプレートhttp://kidsplates.jp/ )。
で、「あんけい」さんこと安西敬介さんのお話。大手企業のWebサイトのアクセス解析現場を知っている人らしく、使える「考え方」が満載だった。易しい語り口なので油断しているとキーフレーズがさらっと流されちゃうこともあったが、特に特に引っかかったところを挙げておく(文章は勝手に要約)。
- Webアクセス解析の「多すぎるデータ」がもたらす罪
- 決定回避の法則(何をしたらいいかわからないから何もしない)、現状維持の法則(知っている値しか見ない)
これはありがち。定量的な解析をしているようで見る数値をくるくる変えているだけ、というケースは多くないか。沢山の数値を扱うのは単純に飽きるので、目新しい動きのある数値だけを追いかけたり、とか。
- 「TOP10リストの罠」
- よいコンテンツがわかれば上司の満足にはつながるかもしれないが、それはWebの改善とは関係ない。アクセス解析は悪い部分の洗い出しにこそ利用せよ。
- 「一般的に直帰率ってどれくらい?」は意味がない、「他人の芝生は見なくていい」
- 「一般的な直帰率」などない。たとえば、告知ページなどは直帰率が高くて当たり前。それよりも数字の変化に着目するなど別の切り口を持て。
- 「数字で読み取る必要はない」
- わかりやすいように「見える化」することが大事。ただしグラフにまとめて理解できたようでも(近似曲線で見ると下がっていたりなど)騙されることがあるので注意。曜日、時間、訪問者の属性など、さまざまな属性で切ってみることも有効。
- 「なぜ?」を繰り返す。
- 数字は結果でしかない。子供のように「なぜ?」を繰り返せ。想像し、深堀りせよ。実際に利用している人に尋ねてみるのも有効。
この辺さらっと流していたが大事なところだと思う。ついでにいえば、正しい「なぜ?」を発することができる観察力や仮説立案力はどう積み上げるのか、って点もちゃんと要素分解してみなければなと思った。
- Webは無作為テストが行いやすい
- LPOツールなどでのA/Bテスト(スプリットテスト)、多変量解析によるテストなど、どんどんやるといい。
Google Analyticsでもできるようになっているけど(「AdWords 日本版 公式ブログ: ウェブサイトオプティマイザーに新機能が追加されました」)、やれてないなぁと反省。Webは本当にツールが潤沢なので、「あるのに活かせてない」「やれるのにやっていない」ことが本当に多いと思う。
その他、メモが膨大なのでざっくりと。
- 「お店の前に立っただけでは興味を持ったとはいえない」。
- ページビュー=ページ評価ではない。PVは流入数。被リンクを増やせば、どんなページだろうと増える。
- ブラウザのファーストビューに入っていないコンテンツは読まれたのか?
- PVを使える数値にするためには、PVを訪問者数(UU)で割ってみるとか。
- 回遊コンテンツでは平均PVは高い方がいいが、コンバージョンプロセスでは平均PVは低い方がいい、ということもある。
- サポートサイトなどでは「ゼロ検索」の数(検索結果0件のページの表示数)を見ることも。
- 直帰率だけでソートすると、不要な部分が上位に出てしまう。「ページ直帰率-サイト全体の直帰率×ページビュー数」でフィルタするなど。
- KPIはKGI(Key Goal Indicator)があって導き出されるもの。立場によっても変わる。
- (Web屋にとって)顧客サイトのアクセス解析データが見られるのはタダで提案できるネタが転がっているようなもの。
- AutoPagerizeやRIAなどでは、「画面の情報が半分変わったら1PVと見なす」といった考え方も必要か。
- ページはセッションの一部。ユーザーが通るパスを意識してページを改善しているか。
- LPOをルールベースでなくAIでできるツールも出てきている。
- アクセス解析について、WAAが発表した定義がある(「Webサイトのアクセス解析で、押さえておくべき26の指標 – WAA Standards Analytics Definitions|前向きストラテジー」)
というわけで、Web屋のリテラシーのひとつとして欠かせない「アクセス解析」について、集中講義を受けたような気がするイベントでした。





あんけいさん、研究されてますねぇ。
ほんと、参加できなくて残念でしたが、
アクセス解析はどんどん面白くなって来そうなので、楽しみですね!
*_iri_*
2008/05/27