CGMとPGM – Blogosphereは「正直さ」でできているか?
この土日は、WebSig 24/7のセミナーで大阪へ。
東京中心でイベントなどを行ってきたWebSigの活動を大阪でも、という動きの先鞭として9月に東京で講演したシックスアパートの河野さんに講師をつとめていただいた。
【大阪】WebSig会議「ホリスティック・マーケティング : TVは死んでない。そして、CGMからPGMの時代へ」
http://websig247.jp/2006/10/websig_tvcgmpgm.html
内容は基本的に東京と同じだったはずだけど、ここ最近CGM界隈は話題が尽きないし、河野さんもどんどん知見を深めていっているためか(余談だけど11月に「WOM勉強会」を発足されている)、資料はさらに作りこまれ、内容もさらに刺激的なものだった。
たとえば、花王「AUBE」の事例。
MarkeZine:ホリスティック・マーケティング実践例(1)花王「AUBE」のプロモーション戦略
http://markezine.jp/a/article/aid/380.aspx
詳細は河野さん自身が書いたこの記事に譲るが、「AISASの法則」で説明される消費者の行動モデルをあえて変則展開し、十分なCGM/PGMを蓄えてからマスメディアでのリーチを図るというモデルなどは、非常に示唆的だと思った。
質疑応答の時間にはプラクティカルな質問が多数飛び出した。
刺激されて、ぼくも以下の2つの質問をしてみた。
1)「Buzzを金で買ってはダメ」というが、すでにBlogosphereには「アフィリエイト」が有効なチャネルとしてある。また、ブロガーに報酬を与えてBuzzを書かせるサービスの仕組みのいくつかを調べたが、「よい口コミ」を強制しているわけではない。企業側にとってこれらのサービスは「知ってもらえるチャンス」を増やす意味で合理的なものではないかと思う。その線引きはどう考えますか?
2)ナショナルブランドと違って、中小企業やスタートアップ企業には十分なP(Partner)が育っているとはいえない。その場合はどうすればいいのでしょうか?
1)について、河野さんは「OK/NGの基準はブログ記事にペイドパブリシティであると表記しているかどうか」(要約)だ、と答えられた。
不特定多数のC(Consumer)よりP(Partner)を大切に、という考えはよい。
だけど自分の顧客の状況を思い、また「ブロガーに書いてもらう」ことの有用性を考えると、この考えは生硬すぎないかな、とちょっと思う。
もうひとつ、Blogosphereが「正直さ」を求める場であることには賛成するが、一方でなぜここまで盛り上がったのかといえば、書き手のちょっとしたエゴや欲望を満たす場として機能しているからだろう。アフィリエイト*だらけ*のブログを眺めるときぼくは辟易とするが、日々の雑記のかたわらアフィリエイトにも励むといったブログなら、むしろそのようなプチ欲望を容認する場ができたのはいいことではないか、と感じる。それが普通の人だから。
というわけで、ブロガー自身が「きっかけはお金だったけど、試してみたら意外とよかった」程度の記事を(「これはペイドパブリシティです」と断りなしでも)書くのは、ぼくは暫定的にセーフ、と考える。
なので、企業がCGMをマーケティングに活かそうと思ったとき、たとえばプレスブログのようなサービスを使うべきかどうか、使うとしたらどう使いこなすことができるのかを一度はチャレンジしてみる方向で顧客に提案するだろう。
ここまで書いてきて、もしかしたら河野さんのPGMはそういうことを十分にシミュレートしたうえでの結論なのかもしれないと思ったが、ぼくはもう少し自分の頭で考えて結論を出したいと思う。
やや懐疑的なまとめになってしまったが、現在進行中のテーマについて、ちゃんと考えるモチベーションになりました。というわけで、今度のwomma.jpの勉強会への参加も楽しみにしてます。>河野さん





感想ありがとうございます!
このあたりの概念はまだまだ現在進行形なので、みなさんと試行錯誤と情報共有をしながらガイドラインを作っていければいいなと思います。
あと、マーケターとして思うのはセーフかどうかは最終的に、大多数の顧客がどう感じるかなんだと思っています。正直じゃない仕掛けがあったとして、その被害は結局企業に返ってくると思います。
ちなみにプ●スブログは一回使ったことがあります。実際にお金を使ってわかったこともありますね。
今後もいろいろ考えて、意見交換して、発表していこうと思います。WOM勉強会でもよろしくお願いします!
河野
12月 5, 2006
コメントありがとうございます!
> あと、マーケターとして思うのはセーフかどうかは最終的に、
> 大多数の顧客がどう感じるかなんだと思っています。
仰るとおりですね。
このエントリーでうまく言い尽くせた気がしませんが、ぼくはBlogosphereというのは「誠実(≒正直)」か「インチキ(嘘)」かだけではそのダイナミズムを捉えることができない、もうちょっと精妙なものではないか、と考えています。
そういう興味もあって「お金を払ってブログに書かせる」系のサービスも、もう少しその生態を追っかけていきたいなと思っている次第です。
こういう話をしていると、考えるヒントが沢山得られます。感謝しています。WOM勉強会も楽しみです!
nakano
12月 7, 2006